星座図鑑(せいざずかん)

こと座は、1等星のベガを持つ、夏の代表的な星座です。
1等星のベガと、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)の3星で、夏の大三角を形成します。


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こと座 星座図鑑 Lyra (Lyr)


こと座
(画像中の矢印「」は北極星の方向を示す)
星座図鑑
星のみ 星座線 星座絵 バイエル符号・星名 星雲・星団
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学名 (略符) Lyra (Lyr)
属格 Lyrae
概略位置
(赤経,赤緯)
( 18h 45m , 36°)
20時に子午線を
通過する時期
(つまり、見やすい時期)
8月29日
星の数 (六等以上) 50
面積 (平方度) 286
明るい星 (1等星以上) ベガ (0.03等 変光星)

星座解説
小学校の教科書にも出てくる有名な星座で、設定者はプトレマイオスです。

小さな星座で暗い星が多いのですが、美しい純白の星であるベガが目立ちます。
夏の代表的な星座であり、ベガとわし座のアルタイル、はくちょう座のデネブとともに、夏の大三角形を形成します。

こと座は琴であり、弦楽器です。

発明の神であるヘルメスが竪琴(たてごと)を発明し、音楽の神であるアポロンが弾いていました。
琴はアポロンの息子であるオルフェウスのに引き継がれ、オルフェウスは有名な音楽家になりました。

オルフェウスはエウリディケを妻としましたが、間もなくエウリディケは毒ヘビに噛まれて死んでしまいました。
エウリディケの死を悲しんだオルフェウス(オルペウス)は、死を司る冥神ハデスとその妻ペルセポネのところに行き、
琴を弾きながらエウリディケを戻してくれるよう頼みました。

ハデスはオルフェウスの琴が大変に美しいので、エウリディケを戻すことを許しました。
しかしそれには条件があり、冥界から戻る途中、決して後ろを振り返ってはならないというものでした。

オルフェウスは大変喜び、エウリディケと共に冥界から地上へ向かいましたが、
地上まであと少しというところで、後ろから来るエウリディケの足音が聞こえなくなった気がしました。

オルフェウスは思わず後ろを振り向くと、その瞬間、エウリディケは冥界に連れ戻されてしまいました。
再度、冥神ハデスに頼むも聞き入れられず、狂ったオルフェウスは川に身を投げて死んでしまいました。

神ゼウスが哀れに思い、川を流れていた琴を拾って天に上げ、星座としました。

<七夕伝説>

七夕伝説は、日本でも古くから知られている中国の伝説です。

天の王である天帝の娘である織女(しょくじょ、こと座のベガ)は、機織(はたおり)が非常に上手く、
天の川の近くにある織物小屋で織物を織っては、天帝に捧げていました。

織女は機織に忙しく、好きな人を見つける時間がありませんので、それを気にした天帝は、
天の川の向かいで牛を飼っている、働き者の牽牛(けんぎゅう、わし座のアルタイル)という若者に会わせることにしました。
2人は夫婦となり、天の川の片方で一緒に住むようになりました。

ところが、2人が会うようになってから、織女は機織を懸命しなくなり、牽牛は牛を追わなくなってしまいました。
これに怒った天帝は、2人を天の川の両岸へ引き離し、会えないようにしてしまいました。

しかし、それではあまりにもかわいそうなので、1年に1回だけ、7月7日の七夕の夜に、2人が会うことを許しました。

しかし、七夕の夜に雨が降ると増水し、2人は会うことができません。
織女が天の川のほとりで泣いていると、どこからか無数のカササギ(鳥)がやってきて、
天の川に自分の体で橋をかけてくれるといいます。

これは中国の伝説ですが、7世紀の終わり頃にこれが日本へ伝わり、
天皇家の行事とされた後、一般家庭へも広まったようです。

旧暦が使われていた昔は、旧暦の7月7日が七夕となります。
しかし、新暦に切り替わっても7月7日を七夕としているので、昔とはその日が異なります。
日本では、旧暦の7月7日は新暦では秋になりますが、新暦での7月7日は梅雨中ですので、
七夕の日が雨になってしまう可能性が高くなっています。

主な恒星
αベガ (Vega)  固有名の意味 : 落ちる鷲
実視等級(明るさ) : 0.03等距離 : 25光年スペクトル型 : A0Va
赤経 : 18 36(h m) 赤緯 : +38 47(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
全天で5番目に明るく、純白で美しく輝く星です。日本・中国の七夕伝説では、織姫星(織女星)として有名です。変光星であり、0.01~0.04等まで変光します。わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブとともに、夏の大三角形を形成します。なお、地球の歳差(首振り運動)により、西暦13700年頃には北極星になる予定です。
βシェリアク (Sheliak)  固有名の意味 : 琴
実視等級(明るさ) : 3.52等距離 : 1000光年スペクトル型 : B8IIpe
赤経 : 18 50(h m) 赤緯 : +33 21(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
食変光星です。この種の食連星を「ことβ型」と呼びます。
γスラファト (Sulafat)  固有名の意味 : 亀
実視等級(明るさ) : 3.25等距離 : 200光年スペクトル型 : B9III
赤経 : 18 58(h m) 赤緯 : +32 41(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
連星です。
δ- (-)  固有名の意味 : -
実視等級(明るさ) : 5.58等距離 : -光年スペクトル型 : B2.5V
赤経 : 18 53(h m) 赤緯 : +36 58(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
光学的二重星です。HR No.=7131
δ- (-)  固有名の意味 : -
実視等級(明るさ) : 4.28等距離 : -光年スペクトル型 : M4II
赤経 : 18 53(h m) 赤緯 : +36 53(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
光学的二重星です。HR No.=7139
εダブル・ダブル・スター (Double Double Star)  固有名の意味 : 2重の2重星
実視等級(明るさ) : 5.01等距離 : -光年スペクトル型 : A4V
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +39 40(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
有名な4重星であり「2重の2重星」(ダブル・ダブル・スター)と呼ばれます。HR No.=7051
εダブル・ダブル・スター (Double Double Star)  固有名の意味 : 2重の2重星
実視等級(明るさ) : 6.00等距離 : -光年スペクトル型 : F1V
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +39 40(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
有名な4重星であり「2重の2重星」(ダブル・ダブル・スター)と呼ばれます。HR No.=7052
εダブル・ダブル・スター (Double Double Star)  固有名の意味 : 2重の2重星
実視等級(明るさ) : 5.21等距離 : -光年スペクトル型 : A8Vn
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +39 36(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
有名な4重星であり「2重の2重星」(ダブル・ダブル・スター)と呼ばれます。HR No.=7053
εダブル・ダブル・スター (Double Double Star)  固有名の意味 : 2重の2重星
実視等級(明るさ) : 5.38等距離 : -光年スペクトル型 : F0Vn
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +39 36(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
有名な4重星であり「2重の2重星」(ダブル・ダブル・スター)と呼ばれます。HR No.=7054
ζ- (-)  固有名の意味 : -
実視等級(明るさ) : -等距離 : -光年スペクトル型 : A4m
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +37 36(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
双眼鏡で見分けることのできる、光学的二重星です。HR No.=7056
ζ- (-)  固有名の意味 : -
実視等級(明るさ) : -等距離 : -光年スペクトル型 : F0IV
赤経 : 18 44(h m) 赤緯 : +37 35(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
双眼鏡で見分けることのできる、光学的二重星です。HR No.=7057
ηアラドファル (Aladfar)  固有名の意味 : つめ
実視等級(明るさ) : 4.41等距離 : 800光年スペクトル型 : B2.5IV
赤経 : 19 13(h m) 赤緯 : +39 08(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
N/A
μアラスファル (Alathfar)  固有名の意味 : つめ
実視等級(明るさ) : 5.12等距離 : -光年スペクトル型 : A3IVn
赤経 : 18 24(h m) 赤緯 : +39 30(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
N/A
RR- (-)  固有名の意味 : -
実視等級(明るさ) : -等距離 : -光年スペクトル型 : -
赤経 : -(h m) 赤緯 : -(°′) 赤経,赤緯は2000年時(J2000)
収縮膨張を繰り返す変光星です。この種の変光星を「ことRR型」と呼びます。
(注)恒星の固有名や明るさは文献により異なりますので、この表中の内容と星座絵中の内容とは異なることがあります。

星雲・星団・その他
星団M56-
8.3等3.3万光年-
球状星団です。
星雲M57NGC6720
9.3等2500光年赤経18h53m 赤緯+33°02′
β星とγ星の間にある環状星雲であり、惑星状星雲の中で最も有名です。形はリング状であり、リング星雲、ドーナツ星雲とも呼ばれます。星雲の中心には白色矮星があり、その星から放出されたガスが、白色矮星からの光を受けて輝いています。小さい望遠鏡でも見ることができます。

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